そもそも吾我が本作を知ったのは
2013年。
たまたまトレイラを見かけて
幼稚な言動が皆無の非言語依存で悲哀と物語性がありアクションゲームとして傑作…という願望を実現しそうに思えて、
Kickstarterで資金集めが達するかもわからないうちから、何となく気になる作品として名前だけ憶えていた。
当時はまだ個人アカウント
Alexander Prestonで紹介されてた。
※最近PROJECT CARS PERFECT EDITIONを買ったが、理由の1つは同じで、他のレースゲームは人間関係や物語を過剰に演出してうるさいが、これは環境と状況を自分で設定できて、ひたすら走るだけに特化しているとわかったから。
その後、資金は集まり、
2016年3月31日にPC版が発売され、同年
7月26日CS版も発売された。
しかし、非言語を売りにしてる作品なのに、何故か日本版が発売されない。
宮崎駿や
ゼルダなど日本の作品が動機で作られたから日本発売は当然の事を思い込んでいたが、もしや、日本は未発売なのか?
と考えていたら、ついに今年、発売された。
偶然ではあるが、本作の最初期から知っていて、4年間ずっと待っていたものが届いた感慨がある。
- 購入してから3日プレイ時間10h程度で初見クリアした。
- やる前の予想以上に長く、やってる最中の予想よりは短いゲームだった。
- 本作は、思ってた以上に非言語で、例えば回復とか攻撃とか操作説明は文字で表示される。しかし、ゲーム内で表示されるアイコンや入手した何か、登場人物の立場や意味は、全く説明されない。画面内の情報自体を全部自身で解釈、理解しなければならない。
- 思ってた以上に難易度が高く、死にまくる。体力があるのに、FCマリオやメタルスラッグのような1撃死ゲームのような感覚で死にまくる。
- 死んでからの再開が早く快適。
- デモンズソウルは高難度、死にゲーム、不親切などと評価されたが、それでも、画面内にある情報は全て理解できた。アクションゲームとして難易度が高いだけで、目に見えてる物がそもそも何なのか、という苦悩や混乱は無かったから、凄く親切なゲームなんだと再評価したw
- 収集要素だけじゃなく、本筋攻略にすら隠し要素を見つけなければならない。
- 日本版パッケージが素晴らしい。今時珍しく紙の取扱説明書が同梱されていて、フルカラーでフォントや内容も充実していて感動した。
- 見た目のキャッチさとは裏腹に、プレイヤに勤勉で根気と知識と技術を求める点でOverwatchに似てる。
- ゼルダやザグレイトバトルなどアクションゲームとしての類似、引用が目立つが、実は90年代の縦スクロールSTGの影響も見られる。斬撃だけじゃなく、弾幕への回避と対応はアクションゲームというよりシューティングゲームのそれだった。バトルガレッガやってる感覚に近くて笑った。その点でも縦スクロールSTGが衰退したのと同じ選民思想が理由で馬鹿売れはしないだろうが、それは難易度の問題で品質は素晴らしいので、ついていける人にとっては素晴らしい作品。
人によってはマイナスでしかない以上の要素も、少なくとも不備ではなく明確に意図した上の結果なので、
しっかりと理解する知能と応用するだけの技術があれば、最高に楽しい。
これらを挙げた上で不満を書く。
- HUDが一定時間で非表示なるが、常時表示で良い。あるいは常時か否か任意設定したい。
- ボタンコンフィグが出来ない。
【総評】
ビデオゲームの題材として「冒険」がある。
しかし、ゲームという様式や商売が仕上がるほどに、既知や快適さに溢れてプレイヤの判断や行動など無きに等しくなる。
昨年の海外旅行で思い知ったのが、英会話は全く出来なくても、知ってる英単語の断片でなんとか解釈、判断は出来るし、しどろもどろでも何とか対話は出来る。
言葉や意味として欠けていても、そこを何とかする努力にこそ人間の能力が問われ、喜びがある。
その点で、本作は、曖昧な情報を解釈し判断して練習して進む、まさしく旅、冒険を実現した傑作であった。
これだけの物を自主制作されたら、日本の企業は何をどこまでやれば良いのか。
任天堂などから学び挑戦した小規模の個人達が、情熱をもって任天堂達に並び立つものを作った、というのが本作最大の感動だった。