読んだ理由
- ユダヤ人とユダヤ教/血筋と思想は、いつ頃どうして乖離したのか?
結論
- ユダヤ人がユダヤ教を開発したのはバビロン捕囚(BC586)が原因。
- その時点(アケメネス朝ペルシア/初代の王キュロス2世による解放と帰国)でバビロン定住とユダ王国(エルサレム)定住して、それぞれ混血/人種は分離した。
シオニズムの問題
- 東欧ユダヤがローマ避難後に西ドイツから聖地へ
- Steppe/アラビア半島/イベリア半島/北アフリカの改宗と混血を無視
- 優生学/白人優越主義
たしかに、地震などから避難した場合に地震に追放されたと認識しない。
しかし、地震を異人種の敵に置換した場合に、避難と追放は同義になる。
そのつもりで読んでいたので、事実異人種との問題で離散しているのに、いずれも追放に当たらないという本書の定義や主張に混乱して、理解するのに時間がかかった。
BC70(第2神殿)後に追放があったと本書も認めている287p。
しかし、単1の血族を維持しながら実現した移住ではなく、あくまで戦争など歴史の不幸などを含み、改宗と混血の中で分散していった結果である。
だから、一部の白人ユダヤ人が中東の土地を占有する根拠は聖書にも血筋にも無いが主張。
ブログにする前に読んだ内容を整理したもの
バビロン捕囚/BC586
- 全ては、ここから始まった。
- 第1神殿の破壊後にバビロン定住とエジプト移住の2派に別れる
- 【EXIL】3世紀まで「追放/離郷」ではなく「服従」を意味
- 【タルムード】バビロニアとエルサレム/聖地エルサレムより捕囚地バビロニアのほうが上位なのか何故か?
- バビロン定住が多数/中心だったから
創世記/出エジプト記
- ユダ王国(バビロン捕囚)の滅亡を契機に「聖書」開始
- 遡行して創世記/出エジプト記
- 【出エジプト記】当時カナンはファラオ/エジプト支配下
- つまり事実ならエジプトからエジプトへ移動しただけ。
- エジプトに記録が無い
- 360万人40年間の大仕事なのに
- ヨシュア記/植民化は無かった
- シナイ山も不明
- カナン
- 地元の遊牧民が定住
- エジプト支配の終わり/BC12世紀からBC10世紀
- 遊牧民の定住村に豚の骨が無い
- ダビデとソロモンの時代/BC10世紀
- イスラエルは小国だった
- 南北/イスラエル/ユダ分断後
- イスラエルは多神教
- ユダは1神教
- トーラー(モーセ5書)はユダから
- 大国イスラエルに便乗したユダ
- ユダ王国のバビロン捕囚より前に、イスラエルはアッシリアに征服/BC8世紀
- ソロモンは700人の妻/300人の側室を持つ経済力(巨大宮殿)を持ってなかった。
- ヘブライ語ダット=宗教はペルシア語に由来
暗黒時代
- 前5世紀/前2世紀
- BC538/エスドラス(エズラ)
- BC167/マカバイ乱
- BC440/ヘロドトス
- カナンでユダヤ民族を見た記録が無い
改宗の旅路/アレクサンドリア
- アレクサンドロス(3世)の時代/BC336-323
- プトレマイオス1世の時代/BC305-282
- 彼ら戦争からの避難で定住
- ヘレニズム
- 聖書の翻訳/ギリシア語
- 宗教/民族的な常識が言語に依存しなくなった
- 代償として、後年、人種/性別/世代あらゆる属性を無視した平等の救済/自由/キリスト教が出現して敗北する。
- ヘブライ語もアラム語も話せないユダヤ人(改宗者)の増加
- エジプト動物崇拝を非難/ギリシア思想
- エレファンティネ島/エジプト/モーセ5書を知らない改宗者
ハスモン/イスラエル
- BC140 - BC37
- ヘレニズム/ギリシアを輸入
- 【貨幣/鋳造】車輪/星/植物動物は無い。動物崇拝はギリシアと対立するエジプト思想。
- 他国にユダヤ教を強制改宗
- イドマヤ/ガリラヤ/イトゥレヤ
- サロメ・アレクサンドラ女王
- Salome/ヘブライ語シャローム(Shalom,平和)が起源の「女性名詞」
- オランジーナ先生も同じ名前。彼女は由来を既知なのかエルサレムの写真を公開している。
アディアバネ王国
- AD前後
- アディアバネ王国/メソポタミア
- 当時ユダ王国(北部イスラエル)以外の最初のユダヤ改宗国。
ユダヤ人の爆発的な増加/布教と改宗
- 東西南北の布教/改宗
- ヘブライ語もアラム語も話せないユダヤ人
- 地中海/400万人
- 北/アルメニア
- 東/ペルシア
- 西/ローマ
- 南/北アフリカ
- ローマ(帝国)で増長した布教が問題になる
- このあたりで、ギリシア的な多神教から1神教のユダヤ教が優位になるも、つまり追放され少数派だった革命児が保守になり、革新/キリストが生まれ対立。
ローマ帝国[AD/70]第2神殿の破壊
- 一部の奴隷/移住/逃避/死亡はあっても追放は無かった。
- ゼロテ党/AD66
- ユダ地方ローマ帝国への反乱
- 当時のエルサレム人口/7万人
- ユダ王国全体で50万人
- バルコホバ乱/AD132
- 追放はなくAD200に口伝律法/ミシュナ完了
- キリスト教の台頭
- イエスに対する罪で追放
- ユダヤ教徒これに便乗
- 敗北や避難をバビロン子孫ユダヤ人がバビロニア・タルムード(バビロン捕囚)と重ねて民族的概念に強化
- バビロニア・タルムードには壁のように1体となって(武力で)シオンに向かったはならぬとある。
- 後年シオニストはこれを無視
- AD19
- ティベリウス/エジプト人とユダヤ人の迷信を追放
- AD49
- クラウディウス/暴動で追放/ユダヤ人が多すぎて追放できず/矛盾する記録
- AD64
- ユダヤとキリストを法律で区別
- 当時ローマのユダヤ人8%
- 改宗者と、その子孫を含む
- ユダヤにもキリストにも属さない神を恐れる者
- 厳密な宗教的行動をともなわない中間層
- ユダヤ/異教徒/中間層/混在に便乗し拡大したのがキリスト教
- 女の改宗の増加
- 都市化による精神的孤立
- 旧来の支配に反発(男尊女卑?)
- ユダヤ教の貞操を女が望んだのは拒否権の獲得のため?
イスラム/ムスリム/AD7世紀
本書では、異民族に敗北した避難を、自分の意思で離れたと書いてある。つまり、これが本書の混乱のもとで、果たして当事者が損害からの逃亡を、自由意志の結果と認識するだろうか?
ムハンマドはユダヤ教徒とキリスト教徒を対象としたイスラム強制改宗を禁じた
ムハンマドはイエスと異なり「神の子」を自称せず「預言者」とわきまえた立場なので、一部肯定的に認識される。
租税回避のためユダヤからイスラムに改宗増加
しかし、支配者と被支配で格差があるのは当然で、根本的な融和は不可能。それによる移住。
Steppe/アラビア半島/イベリア半島/北アフリカ
- キリスト教から逃げた結果の拡大
- Steppe/クリミア周辺/ハザリア
- アラビア半島/ヒムヤル
- 北アフリカ/ベルベル
- イベリア半島
ジブラルタル
- AD711
- ターリク・ブン・ジヤード
- イベリア半島は北アフリカのムスリムからの逃亡の結果。
- 北アフリカのユダヤとムスリムの混同軍
ポグロム
- イデッシュ語
- ブンド
- イデッシュ語のユダヤ集団がユダヤ統一を目指したが失敗。
- カナンから東西南北に分散して環境と混血の差異による文化の違いをまとめられなかった。
- これがユダヤ人という統一民族が存在しない理由と証明。
世界大戦の前後
- 結局は白人の覇権争い。
- ユダヤ教徒同士の白人による差別もあった。
本書の問題
内容ではなく、文字/文章の管理。添削/校正的な意味での問題/不備。
省略が多すぎる
- 出来事の名詞だけ書いて年号が無い
- 「ラビのユダヤ教時代」「第2神殿の破壊前後」など
- 無駄な文字が多い
- 例文/かつて人物AはBをCのように例えた。ではDをEのように比喩できるであろうか。
- 感想/資料の記述とそれに対する結論を書くだけで比喩する必要が無い
- 前者が本書にあったような文章で、後者が添削した結果や理由。
- 本書//教えてくれるものである
- 添削//教えてくれる
- 本書//Aじゃないことがないこと
- 添削//Aじゃない
- 本書//ほかならない可能性がある
- 添削//可能性がある時点で「ほかならない」と言えない。
- 鍵括弧の中に同じ鍵括弧を使う
- 本書//「彼は「伝説」を信じた」
- 添削//「彼は『伝説』を信じた」
- 指示代名詞がどれを指してるのか、わからない。
- 本書//人物Aは甲である。人物Bは乙である。彼は丙である
- 感想//この場合「彼は」AなのかBなのか、わからない。
- これはDishonored2の論理問題の翻訳でもあった。
- 索引が無い。
- また、原注が大量にあり、各章ごとに3頁以上の原注があるのに、各章の原注2頁目以降に章題が書いてないので、各章の原注3頁目以降は常に各章原注の1頁目を探さないといけない。
- 前提の解説が無い。
- 本書//ヒムヤル王国/マスルーク/最後の戦闘の際に大きな白い愛馬と共に紅海の波に飲まれていった悲劇的な結末を我我は知っている。
- 感想//知らんがな。そういう関連するだろう事柄を知るためにも、こういう本を読んでいるのに。
記述だけ言えば、私小説である。
他人の私小説を自分の論文に編集する覚悟があれば、間違いなく面白い本。