CD全盛時代を振り返る漫画が話題に…小遣いをはたいて音楽に夢中になった青春の思い出
上記の記事に限らないが、この手の記事は感傷ばかりで、現在でも保存媒体(道具)として明らかに勝ってる点があり利用してる人間の視点が欠けてる。
そこで、自分がサブスクを嫌悪とまで行かなくとも、どうして現在でもCDを音楽の中心の保存媒体(道具)として利用してるか、その理由を書く。
CDが現在でも便利な理由
- 物体として手軽
- テンポや拍子など音楽的に分析/編集するDAWソフトで容易に扱える
- インターネット(電子機器)を介さず、商品に関わる情報を確認できる
(1)に関してはCDに限らない。ただ不便な事は無いという点で書いた。
重要なのは(2)と(3)である。
まず(2)に関して。
サブスクは「聞く(消費)」するだけで、その音楽を分析や学習するなどの用途を全く考えていない。
だからシークが横棒で容易になった時代とはいえ、曲中のマーカーや、時分秒以外の尺度でのシークが出来ない。
例えば、テンキーで時分秒の入力も出来ないし、それらを複数保存しておいて、再生箇所の任意性と反復性を高める、なども無い。
サブスクなどの横棒シークでは、x小節目のy拍裏を確認したい、と手動でシークすると、秒単位で誤差があり毎回同じようには聞けない。
CDが音楽の分析/編集に優れているわけではない。
しかし、音楽の分析/編集が可能な道具で、サブスクなどよりもCDのほうが使いやすい。
これがレコードやカセットでも問題は同じである。これらはアナログなので、1度、再生して等速で録音しなければならない。そういった作業という意味でレコードやカセットは効率に劣る
仮にハイレゾ音源が分析/編集を容易だとしても、娯楽としての音質を求めない作業において、CDよりも2倍以上の容量を使うのは無駄である。
そういった意味で、デジタルデータであり、最低限の仕様から、最高の応用が利く汎用性という点で、CDは現在でも必須である。
次に(3)である。
サブスクやyoutube配信などは、現在でも歌手や楽器演奏者の名前は明記しても、ミキサーエンジニアなどの名前は無視される場合が多い。
場合によっては、録音や撮影場所も隠されたままである。
CDの冊子は、そういった情報が全てとは言わないまでも、幾つも明記されており、資料として有効。
結局のところ音楽(商品)を資料や教材として分析/編集/学習する人間にとってはCDしか選択肢が無い。
Youtubeなんかはキーボードショートカットや時間指定が可能なので、そういう意味ではCDよりも反復性に勝る点もある。それでも、タッチパネルで操作するための確認接触から操作接触など2度手間だったり、音楽だけを投稿不可能だったり、インターネットが必須だったり、仕事や勉強の資料としては、やはり不便な事が多くある。
似たような理由で、自分は電子書籍を利用せずに紙の本を読むが、これらが資本主義的なコスト面で完全に淘汰される日が来るのだろうか?
自分はiPhoneよりも鉛筆、YoutubeよりCD、SNSよりBlog、インターネットより紙の本を使ってる時間が長い、明らかに少数派なので、それでもまだ少数派として生き残ってるうちは良いが、これらが完全な上位互換が無いままに淘汰されてしまうのではないかと、戦々恐々としている。