2021年5月19日水曜日

闇の脳科学

ロバート・ヒース。1950年代から1970年代まで活動していた。

マイケル・クライトンのターミナル・マンは実話を元にしていて、映画化後に本作の主役は自分たちの家族だと訴訟に発展。その流れで当時の脳深部刺激が非人道的だと煽りをうけヒース以外の実験や手術が中止される場合もあった。

マスターズ・オブ・セックスのモデルとなった2人は、ヒースと同じく同性愛者を異性愛者にする実験を7割で成功させている。しかし、この件はドラマでは扱われていない。

ヒースの失墜は、1970年代の非専門家の詐欺師を組織に入れてしまい、その実験の再現性の無さと披露の失敗による。

ヒースの著作も、彼の関係者が書いた小説も市販はされず、この断片をまとめた本でしか学べない。

いつか食事の料理を選ぶように脳の状態を変えられるようになったら、人類同士どころか異種族との交流も可能という発想は富野由悠季のニュータイプそのもの。

猿の親子を3集団にわけた実験はホモデウスでも紹介されている。ヒースはそういった実験結果で逸脱した猿を治療実験に利用していた。

2014年に市販された、体外からの電気刺激で脳を刺激するとされるFocus V3|刺激で集中力/パフォーマンスを改善する脳刺激デバイス「フォーカスV3」も紹介されてるが、これ日本でもいちおう買えるのは知らなかった。価格次第では自分で実験してみたいが。