2021年5月16日日曜日

素晴らしい漫画の条件 - 例えば竜女戦記とオオカミライズの場合

最近のマクガイヤー 2020年8月号 会員限定を見て知った作品竜女戦記

動画ではオオカミライズと比較していて、既知の作品との比較という点でも興味を持って読んだ。

両作の優劣ではないが、明らかにオオカミライズでがっかりして竜女戦記で嬉しかった点がある。

それが背景を手描きで、しかも主役並に描きこんでいる。

両作ともパソコンを利用してるのは明らかで、竜女戦記も明確にデジタル加工とわかる絵もある。それにしても、ちゃんと線や構図を自分で操作して描いている。

オオカミライズも背景を手描きでやってるコマも存在するが、特に4巻なんかは写真に軽くフィルタを通しただけの粗末なもので、遠近感が掴めなかったり、単純に絵としてしょぼく見える場面が多い。

漫画の面白さに定義は不能だが、1コマ1コマちゃんと描いてるな、とわかる漫画はそれだけで面白い、あるいは嬉しいものではないだろうか?

模写や参考に線や道具の使い分けなどを自分でやってみようという教材的な触発も生まれる。つまり、読むだけで終わらない、読者の行動をうながす商品。

その点で、今回の2作を比較した場合に、作品の面白さとは別に、読んでいて嬉しいと竜女戦記に対しては思った。

最近は荒木飛呂彦も背景をデジタル合成だけで片付けてる場面も多くて、作品を全て買ってるファンとしては悲しい。

映画にも漫画にも音楽にも、何事にも言えるが、効率のためにパソコンのデジタル処理を使うのは全く異論は無いし使いこなすべきだが、デジタル処理以外の色や味がしないものを見るのは、ただただ悲しいのでやめてほしい。

作家や作品を素晴らしいと思うからこそ。

蛇足だが、両作とも架空の日本の歴史を描いているが、男が求める女の定型と、女が求める男の定型は、明らかに前者が狭く少なく、後者が広く多いなと思った。