2020年9月1日火曜日

上村松園 明治の浮世絵は現代でも美女に見える理由

自分が上村松園を初めて見たのは2015年「うらめしや 冥途のみやげ」展。その時には堂々と看板に採用されていた。

恐らく、人生において目にする事は何度かあった筈だが、少なくとも絵や人名を明確に記憶したのは、この時だった。

2015年の時点で、月岡芳年鰭崎英朋など、浮世絵の様式でも時代が近いとちゃんと美女に見えると驚いて、その理由を考えた事もあった。

今回、彼女の絵を見て思ったのは顎の線である。

頭身や輪郭線の細さなど詳細の違いは幾らでもあるだろうが、それでも、目鼻の大きさや比率、髪型など大きな様式は浮世絵のままで後年が美女に見える理由は顎にあると見た。

拙作

実際、彼女の作品でも古臭さや美女に見えない絵もあるが、顎が水平に近いものがそれだった。

結局のところ、我々が見てる様式が時代が近いほど感覚も近いというだけの話だが、具体的な理由を1つ見出せた。