漫画家の山田玲司ときたがわ翔が漫画評論をする動画で、きたがわ翔が鬼滅の刃の前身として岩泉舞を持ち出した。
それが嬉しいやら何やら複雑な気分。
彼女は、少年漫画において少年を主役にしながら、常に少年を取り巻く環境や関係者こそが少年を育て作り出すという、少年はおろか、女が女の願望や自己陶酔を満たすための手段に少年漫画を利用するでもなく、至極真っ当な少年(子供)の成長を望む1人の人間として、これらを描いてる。
だからこそ、今でも充分に通じる内容なのだが、彼女の内容が大人だっただけに、当時の男には響きにくく、当時の女を満たせず、浮かれた時代に彼女の生真面目は通じず、単行本未収録の作品がいくつかありながら、1冊の短編集で漫画家としては終わってしまった。
20年以上も彼女の作品を持ち続けている身としては、Tonoにも通じる女が女に酔わない健全さと、CLAMPのように男にも通じる女の代表、などなど、もしも鬼滅の半分でも世間が評価していたら、彼女も漫画も状況も大きく違っていただろうにと、ただただ悲しい。
ただ、2020年の現在でも、彼女の作品が彼女の利益になる形で読めて、更に彼女が健在であるのを確認出来たのが救いだろうか。