2016年1月10日日曜日

【江戸モアゼル】馬鹿らしく堂々たる生き様

文句なく満点の生き様ギャグ漫画。

娼婦もの

娼婦は、英雄譚や復讐ものと同じで、生き様を題材に適した素材であると思う。

見下されながらも卑屈にならず、私情と仕事、配慮と覚悟、セックスの意味も相手次第で変わる。

ぱっと出てくるのは、サムライチャンプルー「堕落天使」や新 暗行御史「朱論介」や、皇国の守護者草浪道鉦の妻である明野や、娼婦とは違うが天霧清香。

ベルセルクのグリフィス受肉の娼婦連中や、a Kiteも娼婦とは違うが寝るのをためらわない女の話。

ザ・ホワイトハウスのローリーも志はあるがコールガールをやっていたり、アメリカのドラマや映画では、娼婦の話がちょくちょくある。

ザ・シークレットハンターのリメイクイコライザーでもクロエ・モレッツが名ばかりヒロインで娼婦やってるし、女の生き様を母性じゃなく図太く描くには、充分に使い古されている記号とも言える。

許されざる者とかもか。

3月のライオンが新房シャフトでアニメ化するらしいが、本作こそシャフトにふさわしい作品じゃないかと思う。

言うほど裸は出てこないし、セックスも無い。

ただし、そういったやりとりにためらいが無いというだけ。

乗りがどことなくMother2に似てる気もする。

こんなの実写化は出来ない。

記号ゆえの気楽さと、単純さゆえの提示、非常に馬鹿らしく両立が出来ていて素晴らしい。

女ぎらい ニッポンのミソジニー絡新婦の理をあわせておくと、女ゆえの理解と思い上がり、時代ゆえの異質さなども含んで楽しめるだろうか。