2015年11月25日水曜日

【美術館を手玉にとった男】を見に行ってきた

美術館を手玉にとった男


どこまでを古典と言うのか知らないけれど、古典以外にもチャールズ・シュルツの贋作までやっていたのか。
また、贋作をやったか本作では明かされなかったが、バットマン&ロビンの絵が自宅の壁にかけてあった。
もしジム・リーとかフランク・ミラーとかアレックス・ロスの贋作をやっていたら見たかった。

カメラ前のあえて、だろうが、マシューが事ある事に娘に「これは誰?」「(マーク)ランディス」と答えさせていたら、挙げ句に娘から「Are You Crazy?」と突っ込み返されていて笑った。

ドキュメンタリとしては物足りない

どうして、最後のマークとマシューの会話をもっと見せてくれないのか。
マークが自分の作品の解説、オリジナルとの違いをマシューに質問してるところにはおもいっきし笑ったのに。
あの質問ができるのが、マークが趣味であり挑戦であり、他の要素には言うほど興味ない証でもある。
カメラの前で多少は演技もあろうが。

音楽にあわせた高速羅列は、ヴィヴィアンマイヤーでもそうだが、無駄。
ちゃんと見せろ。

1つの作品にどれくらいの時間がかかるのか。
これまで1番苦労した作品はどれか。
絵の技術とは別に、古さを出すための技術紹介とか。
……こういう事が幾らでもあるのに、無駄なつなぎ演出で尺をとって眠くさせておいて、こういう肝心で面白い事が皆無。

ヴィヴィアンマイヤーは当人が死んでるからしょうがないにせよ、それにしても世界大戦を生きた世代を、そこ触れずに監督の自己弁護で尺を埋めるとか酷かったが、マーク・ランディスは生きていて直接に話を聞けるのだから、もっとやれる事はあっただろ。

映画監督のなりそこないがネタだけでドキュメンタリを撮るな。
ここまで演出するなら、映画のほうが良い。

マークとマシューの対談とかで1時間くらいの追加映像があるならBD買う。
しかし、内容が変わらないなら1度見れば充分の、素材は良いのに調理がまずい典型的なドキュメンタリ。

また、邦題はこれで良いと思うが、原題はArt and Craftであり、これはマークが自分は芸術じゃなく工作をやっている、という言葉によるものだが、この邦題だとマーク立場が180度かわってしまうので、いかがなものだろうか。