飛行機で口説いた女いらない。美人だったけど作品に何も貢献せず、女を見せるための女で無駄だった。着飾ってるわりにセックス見せねえし。もちろん作品において不要な描写だから、だったら女自体いらなかったろ。
Oliver Plattがいて笑った。
実像があるから、インタビュウそのものに意味を見出せず、見せ場が見せ場になっていなかった。
2時間のうち前置きに1時間を費やしたことからも、本作における重要さはインタビュウ外の事なのだが、金の工面に四苦八苦する様は面白いが、成功はわかっているので、苦労の断片がどうにも白々しく見えてしまう。映画としてもきちんと見せる気はなく必要悪な場面として扱っている感じ。
映像に無い情報を含んで映画化するならともかく、映像がある対象を映画化するのは難しい。
マネーボールが見られたのは、現実に大成功とは言えずに続いていた問題だし、今回の場合は、2人の実像が見られる映像があり、かつ裏があるのも実像を見ればわかってしまう。
あと、最後にインタビュウの意味を台詞で全部説明しちゃうの台無し。
グッドナイト&グッドラックのように真に迫る感じがしなかった。
ただし、これはフロストを中心に見たらという意味であり、最後の会話と場面を見るに、やはりニクソンの扱いにこそ本作の意味があるのだろう。
悪行と悪者の摩擦というか。
当時は恐らく無視されたろう反論を作品として冷静に取り上げている。
ケヴィン・ベーコンの、大統領として6割は正しく、3割が間違い、1割が駄目だった。1割のせいで6割も駄目にさせるのは許さない。
日本でも歌手の麻薬が発覚するとCDとかが回収されるけど、無意味な過剰反応だと思う。
例えば、逮捕から釈放までの期間限定で逮捕者の利益を納税者に還元するとか、商品と売買を無駄にしないほうが有益だろう。
リチャード・ニクソン暗殺を企てた男と比べて見ると面白い。
これも事実ありきの映画だが、社会的な大問題と個人の感情の関連と乖離がよく描けている。
フロスト ニクソンではニクソンをただの悪人として扱わずに描いているが、ニクソン以外の人からすればそんなの知ったことではないし、メディアを通した認識ならなおのこと、というのをリチャード・ニクソン暗殺を企てた男では描いている。
この作品、日本的のように思う。自分を善良な1市民で、自分にも悪いところがあると言いながら本音は自分以外の何かが悪いと思っていて卑屈なのに居直って切れる感じ。
よくここまで好かれないキャラを作ったし演じたし描いた。
共感も同情もできないが実感できるすげえ作品。
ウォーターゲート事件自体、自分が生まれる前の話だし、幾らかの情報やらWATCHMENなどの娯楽作品からも断片で知っていたが、問題の規模はわかっても実感がない。
NSAの通信傍受の発覚すら、何となくありえる事だと想像してたし、問題になるのは当然だが、それすらも「情報通信の利点」だし。
そういう考えや技術が特権だった時代ということか。
Hans Zimmerの音楽。
本編を見る前からサントラだけもっていたが、この手の曲は映像ありきで意味がわかるし、音楽自体が抑えられた曲調であるのに、更に使い方も抑えられていて良かった。
今でこそ派手な音楽が売りのHans Zimmerだが、もとはレインマンで有名になったし、初期の狙いに近い音楽。
結局、インタビュウ後の再会にこそ、この映画の意味がある。
人に好かれる才能と、実務を果たす才能の違い。
現在でも言われるTV討論のあれも含んだニクソンの印象論。
この手の映画は、無知が知る契機になれば良いが、映画だけ見てその気になって調べて学ばなければ無意味だと思う。
無駄に終わらせないため、映画として自負が、最後のニクソンとフロストの会話であり、後ろ姿なのだろう。