もともと1950年代の映画に興味を持って、北原三枝と芦川いづみを中心に見ていたら本作の映画に行きついて、あまりに素晴らしかったので原作にも手を伸ばした。
映画では、あくまで芦川いづみを中心とした別れ、見送りにともなう成長物語だったが、原作では、それを踏まえて見送られる側になって、映画では継続したまま終わった婆との別れもある。
系統で言うなら風の又三郎に近いか。
映画では、芦川いづみが病気故に子供を突き放す場面があるが、たまらず近づいた子供の頭を叩く場面が善かった。彼女の姿は障子に阻まれ見えないが、叩く手だけで、叩く意味、優しさを見せた名場面。