2021年11月29日月曜日

「しろばんば」を読んだ感想

しろばんば

もともと1950年代の映画に興味を持って、北原三枝芦川いづみを中心に見ていたら本作の映画に行きついて、あまりに素晴らしかったので原作にも手を伸ばした。

映画では、あくまで芦川いづみを中心とした別れ、見送りにともなう成長物語だったが、原作では、それを踏まえて見送られる側になって、映画では継続したまま終わった婆との別れもある。

系統で言うなら風の又三郎に近いか。


映画では、芦川いづみが病気故に子供を突き放す場面があるが、たまらず近づいた子供の頭を叩く場面が善かった。彼女の姿は障子に阻まれ見えないが、叩く手だけで、叩く意味、優しさを見せた名場面。