2021年3月25日木曜日

たまたま隣を歩いていた見知らぬ女性の微笑ましい些細な幸せ

偶然にも進行方向が同じで、10m程の距離で隣を歩いていた見知らぬ女性。

最初、彼女の前にいるのは小型犬で、その散歩をしてるのかと思ったら、それは小型犬ではなく鳩だった。

彼女は、自身の歩行に合わせて前を歩く鳩を見て笑いながら歩いていた。

自分も、微笑ましいな、と思っていたら突然、鳩が彼女に向かって飛び出した。

驚いた彼女は「ギョエェ」と明石さんのような反応ではなかったが、体をそらせて「きゃ」と声を上げた。その彼女を尻目に鳩は彼女の脇を抜けて飛び去っていった。

彼女は転ぶでもなく怪我もなく、自然の些細な不意打ちを受けたに過ぎなかったが、その一部始終を見ていた自分は、思わず声をあげて笑ってしまった。

その笑い声を聞いた彼女は、恥ずかしそうに、しかし気まずさを感じさせない瞳でこちらを向いて笑った。

その表情に釣られて「見てしまった。最初、犬をつれてるのかと思ったら鳩だったんで驚いて2度見しましたよ」と彼女に声をかけたら、彼女は「何か可愛いなと思ってたら急にあれですもん。思わず声あげちゃいましたけど、いやあ咄嗟の時って人間自分を隠せないものですね」と気さくに答えてきた。

2人は変わらぬ10m程度の横並びで歩きつつ「何があるのかわからないものですね」「いやあ、いいもの見せてもらいましたよ。今日はこれだけで元が取れます」などと些細な会話を交わして、当然ながらお互いに名乗ったり連絡先を交換するでもなく、行先が共通していた50m程の距離だけを共にして、軽く挨拶して別れた。

以上は、今朝にあった事実。

素敵な出来事だったので、始めて2箇月程度の絵の練習をかねて簡単な漫画にしたが、自分の絵が未熟故にコレだけだと意味不明なので、文章も添えた。

ごまかす意味もあったのだろうが、ナンパどころか、Covid-19の中で初対面の不意打ちの他人を警戒するでもなく無視するでもなく気さくに応じる素敵な人だった。

互いにマスクをしていたし、もはや彼女の服装や顔つきや声を思い出せない程度の出来事だし、彼女も明日には忘れている程度の1幕に過ぎないが、それでも自分は出来事自体は忘れる事はないだろう。

時間にしてせいぜい10分弱、1度きりの些細な出来事だが、それが思い出の1つになる事もある。

少なくとも今日1日は、これのおかげで楽しかった。