2020年8月31日月曜日

しあわせの理由 グレッグ・イーガン

しあわせの理由 グレッグ・イーガン

テッドチャンおすすめ作家と聞いて読んだ。

表題作は素晴らしかったが、設定自体はSFに限らず医療系にもありがち。

つまり、病気による脳の異常で主観的にはずっと幸福状態。

全体的に、映画ブレードランナーなどの思春期臭さが自分にはきつかった。

そもそも、自我と人生は題材として異なり、自我でうだうだやってるうちは子供で、テッドチャンにしろ、さん喬にしろ、自分に突き刺さったのは、死の間際を自覚した人生だから。

そして、自己以外を思い知り自己以外を踏まえた人生だから。

作品はおおむね面白かったが、SF装飾が文字数稼ぎにしかなっておらず、最初と最後だけ読めば意味は理解できる、設定と展開の乖離も気になった。

ある幸福の理想像には同意する。

自分は子供で無邪気に外を走り回り太陽の光に消えていく。