2020年6月8日月曜日

金原亭乃ゝ香と金原亭杏寿の落語を見た

日本に限らないが、それにしても日本の若女至上主義は異常であるように思う。そこで、興味本意で若女に不利な分野や挑戦で何があるかと考えてたら、落語に思い至る。

落語とは、馬鹿を礼賛しながら未熟を許さないという実にねじれた健全な分野である。自分はそもそも金原亭という家自体を知らなかったが、彼女らは、分野内では知られていたようである。知った瞬間から1500円で彼女らを見られたのはありがたい。未熟を最高級品とする国において、彼女ら若年や美貌の頻出を許さない落語という分野に、限界と希望が見えた。

彼女らが今後どうなるのか自分にはわからない。声優やお笑いと称して職業能力以外の要素に飛びついてくる軽薄層を相手にせず、短期的な繁栄を捨てて生きてる彼女らが、そこまでやって分野内でどこまで生きられるのか。

1つ思ったのは、彼女らの古典には違和感しかない。単純に若いから。修行という点を排除して、様式だけを言えば、もしも柳家喬太郎の新作のように、構造は古典だが設定は現代、または女に置換したものにまで塗り替えられたら、素直に笑えるのではないかと。若女が婆はおろかおっさんや爺を中心にするのは、流石に無理に過ぎる。

そんな観客の評価とは無関係に、金銭と経験の両方を獲得するために実行しているのだから、そういう意味でも消費者にはわからない要素がわかりやすく露呈し、そして分野を象徴してる点でも、歪ながら健全な分野のように思える。