しかも、内容を見るに、ただ使用ドラムや演奏結果だけじゃなく、自身が鉛筆で楽譜を書く場面もあり、結構内容が細かく、自分は本作を知らずに面白そうだったので購入。
本作の収録はスタジオのカレンダから2016年とわかる。
以下は当時の情報で、現在は異なる場合がある。
佐野康夫のPVなのか、ドラムの教材なのか、CANOPUSの宣伝なのか、正直よくわからない雑多なところもある。以下は当時の情報で、現在は異なる場合がある。
- 尺は2時間48分
- 犬を飼っている
- 靴はコンバース
- 中学までピアノをやっていた
- 声質と喋り方が落語みたい
- タムのチューニングだけで5分も話してる。
- → ティンパニなども12平均律の音程に近く楽譜でもそう書かれるが、タムの音程も3度とか5度と言う。
- 最初に使ってた鉛筆が母子内転筋に届くか届かないかの長さで書きづらそうだった。
- → 2曲目からは新品同様の長さになってた。
- チャプタ区切りが細かく倍速がほとんと不要。
- 左腕の動きを見るに、肩の使い方がクラシックピアノと一緒。
- 演奏前の楽譜確認の時点でよくわからない譜割や、演奏中の半拍遅れミスなども収録/公開されている。
- ↑ミスった時の素直な反応。彼のこういう表情も見られる。
- 彼が主役だから許されるが、本来ならばドラムにこれだけのテイク重ねるのは許されないだろう。
- → 一部、スネアロールの多重録音など、意図が明確なのは例外。
- 佐野康夫の思想
- → 練習は嫌いなので、練習が不要なように練習する
- → 自由とは、様式を壊す(脱する)事ではなく、複数の様式を自由自在にこなす事
- → 自分を森の中の木1本に過ぎないと自覚した上で、どれだけ森の景観を崩さずに大木になれるか。
特に、会話でそれなりに気をつかってるだけならともかく、CANOPUS関係者が彼を「彼こそ本当のアーティストだ」的なインタビュウがあったり、各曲収録後の要約のときに「秀逸」だとか彼を持ち上げる説明文があるが、彼の意図と準備と結果だけを見せてくれれば良い。
それを学習価値があるか、良いか悪いかは消費者が決める事。
所謂「全米が泣いた」CMのようで、自分はそこに苛ついた。
しかし、気になったのはその程度で、複数ある採用テイク、パンチインアウト、ミスした箇所や、何を確認してるか、などなど充実した内容で、自分が不要だと思ったのは先述の箇所くらい。
ドラムって基本的には陽気な人が多い気がする。
というより社交的であるのが仕事の能力の1つに過ぎないだけだが
その理由を自分なりに、以下のように解釈している。
ドラムはギターやピアノと違い、基本的に単体で演奏しない。
つまり、消費者の感覚からしても、ドラム単体では求められていないし、音楽的要素としても、常に誰かとやるのが前提となっている。
だから、特に関係性を重視するような性格になりやすいのだろうと。
ところで、練習嫌いに関しては、Buddy Richが以下のように発言していて、佐野康夫の言動と一致して面白かった。
練習すればするほど上達するという考えは、私は間違っていると思う。部屋や地下室に籠って、1日中ドラム・セットでルーディメンツを練習したり、スピードを鍛えても、実際にバンドとプレイすることを始めない限り、テクニックを学ぶこともできないし、テイストも磨かれない。どのようにバンドと一緒にプレイすれば良いのか、バンドのためにはどういうプレイが良いのかを覚えることはできないんだ。それは実際にバンドとプレイしないと身につけることはできない。Buddy Richドラムに変革を起こした真のレジェンド|リズム&ドラム・マガジン2017年11月号より
自分はドラマではないのだが、自分がやらない楽器で認知してる演奏者の1人で、当人の演奏結果だけじゃなく、事前の認識や準備や行動などを2時間単体で収録されてる商品なんぞ珍しいので、思わず買ってしまったが、まあNicheな商品なだけに、客層を理解した上で惜しみない充実した内容で面白かった。