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クロマトーン
#始めに
クロマトーンが5000円程度で買えると聞いて、勢いで購入した。
しかし、思ってた以上に、自分には負担でやめてしまった。
数年前にクロマトーンを見た時は、10年後には基準と言わぬまでも、ピアノ,ギターに並ぶ3大(デジタル)入力楽器として広がるかもしれない。
……くらいには考えていたが、甘かったし、間違っていた。
ピアノの歴史は約300年。
楽器の中では最も若い部類である。
そのピアノの不合理を改善して作られたクロマトーンであるが、ピアノの不合理よりも合理性が勝った結果だと思い知った。
#ピアノ
- 運指よりも視認性を優先。
- 触る前に、見るだけで音の場所がわかる。
- 楽譜と同様に、音域も演奏方法も異なる楽器の共有のために発展。
- 平均律の時点で、どの楽器でも「移動ド」は可能。
- ただし、調性(Key)毎に運指が異なる。
- メジャ同士、マイナ同士でも運指が異なる。
特に負担なのは、コードやKeyによって運指が異なる不合理だろう。
#クロマトーン
- ギターのように1つの運指で応用可能な範囲が広い。
- コード(和音)演奏には効率的だが、音域が広く高速のアルペジオに不向き。
- 運指のみに特化して視認性が悪い。
- 汎用性が無い。
特に実感したのが、2オクターブ以上の高速アルペジオは無理。
1オクターブにおける鍵盤数が多すぎて視認性に劣るのと、鍵盤の大きさが指1本分しかないので、ミスしやすい。
#そもそもピアノの運指問題
- 例えばコードCとDはともにメジャーコードなのに運指が異なる
- これは作曲や編曲など構造を理解する点で非効率。
- しかし、その非効率が、結果的に相対的ではなく絶対的な情報、運動記憶に働く。
- 言うなれば、句読点を文字数が増える不合理とするか、読む前の視認性を含んだ合理性とするか。
- クロマトーンは、むしろ玄人向きで、触る前から音がわかる視認性という点で、ピアノのほうが入り口が広い。
- 音楽理論や、ある程度のスタイルが確立してる人がギター的な運指効率を求めてクロマトーンを使うのはありか。
生まれた時からクロマトーンがある環境で、クロマトーンを10年やり続けたらどうなるのか、それが見たい。