2015年8月28日金曜日

【ピンク・ラッシュ】女の本性は不満を並べること。女の本懐は満足に全力で向かうこと。【TONO】

かわいい。
基本的に2次元は、画一的になる笑顔よりも、こういった表情のがはえるのだが、それにしてもTONOは単純な絵柄に反して表情はよく動く。

TONOのえらいところは、こういう悪い表情を描く。
少女漫画は基本的に、嫌な女はいても悪い顔をしない。
というか、好かれるキャラと好かれないキャラの役割が明確で、好かれるキャラは基本的に崩した顔にはなっても悪い顔にはならない。
TONOはわかりやすく敵味方が別れた状況でも、それぞれに良い顔と悪い顔を表情として描く。

それはカルバニア物語にも出ていて、そこが、女による女のための作品でありながら、女の自己陶酔が無い、嫌味が無い理由の1つだろう。
アナと雪の女王TONOを見習うべきだが、だからこそアナと雪の女王は売れて、TONOは藝歴が長く信者もいながら全く浸透しないままなのだろう。

作中でエキューやサナを作品世界で1番の美人のように扱うが、それは無いだろう。
装飾や関係に対して確信があり自由な女。
これを女から見た女として好評なのはわかるが、それが社会的や美貌の評価に結びつけるのが、女による女のための幻想。

TONOは女礼賛というより、女のありかたを描いてる。
本音を爆発させるのは良い、我慢なんて不要。
しかし、それは不満を並べるのではなく、全力で満足に向かうこと。
自己陶酔じゃなく、自負。