2014年12月22日月曜日

【花澤香菜】2nd写真集「遠い口笛」に見る花澤香菜パッケージの限界

流石は売れっこというか、トルコ(海外)撮影だったらしいが、ミラクルジャンプ 2015年 1/30号の時にも思い、これまでの写真、静止画と変わらない。本人は動いて話すと、割り切った全力の愛嬌があり、男に好かれる粗と女に嫌われない粗を両立した実にしたたかな挙動を楽しめる。つまり、花澤香菜は笑顔以外の表情(行動)に優れているので、同じ角度と同じ表情では売りにならない。背景も服装もそれなりに変化しているのに、写真集を見終わると多様性に欠けた退屈な印象が残る。

今回、1番良いと思った頁。

この、商品として問題にならず、しかし個人的な小さな不満もありながら、それは本音ではなく見せ物として、だけど見せ物にしては少し崩れている、という感じ。花澤香菜、当人というよりも、周囲のスタッフによるパッケージの均質が問題だろうと思う。化粧をかっちりすると、奔放とは相反するし、花澤香菜のいつもの角度と表情では、背景や服装の多様性は意味が無い。この辺り、画一的であり、明らかに作られたパッケージでありながら、どこか自然な感じ、あるいは武装を感じさせない坂本真綾のパッケージ力というのはたいしたもので、美人じゃないけど凄い美人感のやりかた、顔や狙いなど傾向は似ていると思うし、花澤香菜(と悠木碧)のスタッフは坂本真綾の武装、パッケージから色色と学ぶことが多いんじゃないかと。

坂本真綾は率先してるようでいて周囲の手の上なのだが、本人がそんなの気にせず乗ってる感じで、花澤香菜は周囲の要求こそを第1として結果的に奔放な振りをしている、という感じの差なのか。

同日に届いた茅野愛衣「LETTERS」

文通という痛い設定はともかく、写真集としてはよく出来ている。室内と屋外と、明るさも色も異なる状況で、焦点はあってない、色が飛んでるなと色色と、うげっと思うところもあるが、同じ場所と同じ服装でも陰影が異なったり構図が異なったり、それから、あたかも個人的な要素が発露しているかのように見せているものもある。

この2枚。左は屋内の影や、雰囲気ある背景とあわない無表情など、商品としては決まったものではなく、問題ないからのせたという感じ。右は構図と光源と表情ばっちり。同じようなものでも、結果として幅が出来てる。

1冊目の写真集花澤香菜 写真集「KANA」を見ていないので知らないが、これまでの花澤香菜を見る限り、いつもの奴なのだろう。

そろそろ、中堅として名前と行動が表向き自由になってきたのだから「個人」が見える感じの商品が欲しいと思うのだが、それとも堀江由衣を目指しているのだろうか?

裸足や、髪かきあげなど、こういう商品でないと見られない要素はあるが、前者はえらく守られた中でも決まった段取り感で、後者はいつもの顔といつもの構図といつもの陰影で、消費者にとって見られる特別な感じがしない。当人に色気が無い、そういう商品ではないと言えばそれまでだが、どうにも花澤香菜という商品の振り切れなさがもったいないと感じる。