2022年2月15日火曜日

モーリス・ラヴェルの地獄の晩年と楽譜という手間と覚悟

人類はどうして音楽を何千年も、へたしたら何万年も継続しているのか。その謎に取り組んだ歌うネアンデルタール 音楽と言語から見るヒトの進化

それを読んでいたら、モーリス・ラヴェルの晩年について色々と書かれていた。

彼は1937年に死んだが、1933年あたりから脳がおぼつかず、脳内で音楽が鳴ってるが、自身のピアノ演奏(運動)や楽譜(意味記憶や符号の変換)が無理で、かつて自身が可能だった事が不可能になる苛立ちの中で死んだとあった。

自分は、ラヴェルの作品も人物もそれなりには既知だが、彼の晩年を具体的には何も知らず、そんな地獄のような晩年と知って衝撃だった。

そこで、彼の晩年に興味を持ってラヴェル 生涯と作品を読んだ。

結果的に、この本は彼の功績だけを肯定的に書いた本で、彼の晩年の地獄に関して何も知る事が出来なかった。

しかし、彼の手書きスケッチから、楽譜の段階的な完成、作品の段階的な完成を知る事が出来て、目的とは異なるが得られるものが多かった。

特に、彼はとにかく楽譜を書いて、同じ曲で2個も3個も手書きのスケッチや総譜がある。

思いつくままに書いて、そして、書いたものを削除(修正)するのを前提で、とにかく楽譜を書く。

彼の作品の評価は人それぞれ自由だが、彼の楽譜を書く、という行動に関しては手間も時間も惜しまず継続してるのを見習うべきと思い知った。

以下は、ラヴェル 生涯と作品に書いてあった彼の逸話。

序曲シェヘラザードの手書き総譜が2つある。

ベートーヴェンの交響曲8番の旋律とバス(根音)だけを対象にして分析した(根本的に2声の発展として音楽を認識していた?)。