2020年12月18日金曜日

私的GOTY 2020「Wizardry 戦闘の監獄」

これを書いてる時点で、まだクリアしていない。しかし、ビデオゲームから離れ始めてる自分すら文句なく楽しい作品なので、この記事を書いた。

自分はTRPG童貞でWizardryもこれが初めて。プレイしてるのはiOS版。

もともとは2005年のゲームらしい。ACの単位や概念に慣れるのに時間がかかった。今にして思うと、TRPGよりは一般的なCRPGのドラクエ3みたいなものすら敵のHP幅のランダムや、女神転生シリーズに頻繁に起こる攻撃ミスなど、TRPGの考えが色濃く、あるいは今でも採用してるゲームに溢れているなあと。

自分は河津サガシリーズが大好きで、あれは3人称のグラフィックと派手な音楽で外見は一般的なCRPGだが、中身はごりごりのTRPGで、その一部は何となく知っていたが、今回本作をやって思っていた以上にそのままやってるというか、Wizardryの子供なのだなあと実感した。

逆に、ロマサガ2やサガスカーレットグレイスが好きだからこそ、本作を抵抗なく遊べたと言える。

戦闘の監獄と比較して、サガスカーレットグレイスは間違いなく名作だが不満もある。その不満がリセット(リロード)と読み込み速度で、まず読み込み自体が長い。完全版ですら自分には重い。そして、戦闘中いつでもリセットする操作が無い。状況によって即リロードデータを選べずにわざわざタイトル画面に戻らないといけない仕様で、ここに関しては本当にゴミ。

TRPG的にランダム要素が強烈で攻略が安定しない仕様は作品に限らずわかる、。それこそ、数字が1変化しただけで体感しにくいデータ強化も、統計的に確率1/10から2/10に変化、つまり2倍になり長期的な結果が大きく異なるという戦略面での楽しさがわかれば全く問題ない。戦闘の監獄もサガスカーレットグレイスも、まさしくそれなので。

しかし、ランダム要素に対する即リセットが実装されていないと、ランダム事故を笑えないし、あるいは単純に時間を無駄にした感覚しかない。戦闘の監獄をやって思ったのは、サガスカーレットグレイスは今からでも遅くないから読み込みとリロードの仕様を改善してほしい。そしたらまだまだ遊べる。TRPG的なビデオゲームとして作品自体は間違いなく名作なので。

戦闘の監獄は、音楽も地味ながら作品を盛り上げる要素で、現在の常にサビが流れてるような思春期音楽に溢れてる作品と一線を画すのも、自分には合っていた。

さて、本作の良かった点と悪かった点を以下にまとめた。まだクリアしていないので、その一部は変わるかもしれないが。

良かった点
  • 根本的なゲーム性として、兵卒と指揮の両面を持ち、空間的な認識と資源の管理、戦略と戦術の全てを駆使して確率的な攻略のため凄く頭を使う。
  • 起動と読み込み全般が早い。
  • タッチパネルの操作が快適。
  • リセットの仕様。どの画面からでも基本メニュウから即リセット可能。かつ戦闘中にだけ出来ないメニュウからリセットも、シェイクで可能。
  • 難易度は高いがリセットが容易で確率的な損失を笑い話にしながらプレイを続行出来る。
  • そもそも難易度はプレイヤの知能と方針が作る。やってはならない行動はなく、やりたい事だけで攻略していけば良い。その結果が難易度に反映されるだけ。
  • 幼稚な人格や台詞や会話が無い。
  • 所持品を好きに名前変更が可能。Please,PapersやBeat CopやReturn of the Obra Dinnのような現実のメモに近い感覚でデータを管理出来る。
  • 任意で変更可能な上質の顔グラフィックがある。
改善して欲しい点。
  • iCloudにセーブ出来ない。
  • キャラAの戦闘中の間違えた入力は次のキャラB指示まで行かないとキャンセル出来ない。キャラAの段階で入力1つ1つの段階をキャンセルさせてほしい。
  • 宿屋を6人1括処理出来ない。
  • 音楽を曲別に音量調整出来ない。
  • 魔力装備に負荷されてる魔法の名前はわかっても効果が記載されていない場合がある。または画面により表示されない。
  • 戦闘の視覚効果が無い。
  • 被ダメと与ダメの効果音が同じ。
  • 打撃の効果音がしょぼい。
  • リセットすると召喚が消えてしまう。

ざっと書いたが、1日15分から60分程度と遊べる時間も自在で、短くも長くも好きに遊べる。繰り返すが、まだクリアはしていない。しかし、時間はかかるだろうが間違いなくクリアするまでプレイするだろう。

これまでWizardryという作品は当然ながら既知だったが未プレイだったので無関係な他人事だった。しかし、自分は本作しか知らないが、これだけでWizardryシリーズに興味を持つのは充分だった。

先日、Wizardryの新作が発表された。自分はタッチパネルと3D主観ダンジョンは相性が良いと思うし、多少年齢が低い消費者を相手にしてるように見えるが作品の重い部分は残そうという風に見えるし、インタビュウを読む限り情熱を持って冷静に判断して作ってるのがわかるので、この新作をやれる頃までに戦闘の監獄をクリアしたいと考えている。