本書渡辺惣樹の主張は、民主党と共和党を跨ぐネオコンこそが元凶であり、より自由主義/干渉主義/ポリコレなど妥協を許さない民主党の方針はいずれ自滅し、2大政党制すら崩れるのではないか。
そこまで行かなくとも、2019年の執筆時点で、2020年の大統領選は共和党(トランプ)の勝利と断言している。
*本書の発売は2020年
自分がこれを読んだのは大統領選の前で、誰が何を言おうが結果不明の時点。
彼のトランプ勝利の予言は外れそうだが、民主主義の限界や、2大政党制の崩壊や、選挙の仕組みなど、これらの破綻や変化は当たりそう。
不正の有無や程度はどうあれ、現在の流れを見るに、敗北宣言さえしなければ結果がひっくり返っていたものが幾つもあったのではないかと思う。そういう意味で民主主義の投票がどれだけ横着であったか。
政治、権力の問題は、結局のところ善悪の問題なので、人類には根本的な解決は不可能なのだろう。目的は問題の解決ではなく、問題だと叫んで稼ぐのが仕事である以上は。
ネオコン
新保守主義/アメリカ例外主義- 反ソ連
- 親イスラエル
- 自由主義
- 干渉主義(中東戦争)
ウッドロウ・ウィルソン | → | WW1 |
FDR | → | WW2 |
JFK | → | ベトナム戦争 |
リンドン・ジョンソン | → | 北爆 |
しかし、以上の方針は民主党と共和党の2大政党で別れない。1993年のビルクリントンから2001年のブッシュは党派を跨いだ干渉主義であり、ブッシュ後のオバマにも続いた。
ウォルフォリッツ・ドクトリン- アメリカに並ぶ大国を許さない
- 武力/資本/国際法で小国を支配
- アメリカは国際法を無視
カダフィ
選挙を認めない独裁者だったが、教育や医療を無料にし新婚に補助金など、ただ武力による恐怖政治では無かった。
石油取引に使われるドルがアメリカ国内に流入するとインフレになるので、リビアの通貨ディナール台頭を許さず。
2011年に英国のブレア首相と秘密会談。欧米との敵対によりイスラム原理主義/過激派による中東およびアフリカの不安定化とヨーロッパ移民を予言。それを回避したかった。
リビアの石油産出は世界10位/アフリカ1位。
2007年にアメリカ陸軍士官学校は、リビアとシリアと組んでイスラム過激派に対抗すべきと提言するも無視される。
ヒラリー
本書ではヒラリーを中心に言及されるのはクリントンキャッシュとメール問題だが、2003年に翻訳されたホロコースト産業ではクリントン政権で活発になった詐欺的な他国賠償要求が書かれてる。本書と同様にホロコースト産業でもマデレーン・オルブライトとジーン・カークパトリックは批判の対象だった。
ホロコースト産業曰く、クリントン時代の民主党の大統領選の予算の半分はユダヤ資産であり、思想ではなく金銭が目的の他国への賠償要求だった。
1967年の6月戦争(6日間戦争)でイスラエルが勝利した事により、アメリカにとって利用価値が発生してユダヤとアメリカ政権が結びつく。
本書で提示されてる通り、ネオコンは親イスラエル。
本書とは主題も主旨も異なるが、テクノロジーは貧困を救わないではエジプトやリビアの失敗を挙げている。もっとも、この場合は民主党や共和党と言った区別はなくアメリカ政府という認識。
地球温暖化
本書で紹介されるパトリック・ムーア(Patrick Moore)の主張。
CO2二酸化炭素濃度現在は400ppm。植物に必要な最低値は150ppm。
*ppm- 1ppm = 0.0001%
- 10,000ppm = 1%
カンブリア期には7000ppm(推定)、ジュラ期には2500ppm(推定)。
地球史的には北極の1万8000年前のい地層から180ppmを検出し、最終氷期直後が植物も絶滅し地球が死の星になりえた。
その後、生物に活動で1万年前260ppm。人類の活動産業革命(世界史の窓)280ppmで上昇する。
人類を度外視すればCO2二酸化炭素濃度が上昇しようと問題無い。
しかし、人体への影響が3%で頭痛や目眩など。7%で失神。長期継続で死亡。
地球温暖化ではなくCO2二酸化炭素濃度に限れば、原因は人類の排出と海水の温度に依存する。しかし、濃度の上昇=悪影響ではない。
人体に害が無く植物に都合が良いのは1000ppm程度。
*木材は何からできているのかセルロース | 50% |
リグニン | 30% |
セルロースとリグニンにも言及されているが、読んでる時点では理解出来なかった。植物の限界値よりも、植物が地中に埋もれ、植物自体の処理が不能。かつ植物を消費する動物も不能の結果、CO2二酸化炭素濃度が下がってしまった。
なお、本書ではCO2以外の原因で地球温暖化は起こっていて、地球温暖化自体を否定はしていない。しかし、別の原因に関しては断定されていない。