今年、デヴィッドフォインチャーのゲームが日本で再販される。1997年当時はDVDが発売されたが、当時の発売元東宝株式会社の統合だか放棄だかで日本での販売権利者が不明となり、長らく日本ではBDどころか配信すら無かった。一般市場に出てる映画で英語圏ではもはや古くて100円で見られる類の映画だが、日本では無駄に見るのが困難だった。
さて、内容とは別の事情で今の日本では見られない良作の1つにSF映画K-PAXがある。本作は決して歴史に残る名作とは言えないが、例えばETやコクーンやコンタクトやArrivalなどの流れの中に挙げられて良い作品の1本ではある。Youtubeで解説や紹介の動画をあげてる日本の映画オタクがどうして本作を誰も扱わないのか理解できない。
本作も英語圏ではせいぜい500円程度で見られる、市場商品としては全く平凡なものだが、日本で見るのは困難。
誰でもわかる感傷と、SF映画としての人類にとって未知の一部が垣間見られた時の感動。たしかにシチュエーションコメディ的な視覚的な地味さがあり、ポップコーンを求めてる消費者には退屈で、名作や大作を求めてる消費者には薄味だろう。
しかし、例えばETの月自転車などと同様に、本作のプラネタリウムは名場面集として並んでも遜色が無いし、少なくとも1回は見て損したという気分にはならないくらいの内容をともなっている。
本作は世界的に売れなかった。これは事実。今のところショーシャンクのような展開も見せていない。そこに、ケヴィン・スペイシーの問題も乗ってくる。関係ないが、先日逝去したまつもと泉と同じ歳だったのか。
彼の問題はどうあれ、彼が出演した作品の内容には無関係だし、問題なく見られう映画が幾らでもある。自分としては、ユージュアルサスペクツやセブンやLAコンフィデンシャルやアメリカンビューティーと並んで見られる作品であるべきだと思う。
日本の映画オタクやSF映画ファンや名優好きなどが無視したり、あるいは販売に影響しないという現実も思い知り、売れてる名作と同様に素晴らしいと評価する身としては、悲しい限り。