1998年に発売され2002年に文庫になった最相葉月の絶対音感。
日本における絶対音感の扱いと、当事者のインタビュウをまとめたもの。
個人的に面白かったのが武満徹の絶対音感に関する話。
NHK交響楽団の首席オーボエである茂木大輔は、絶対音感を持たず、実音を聞かずに楽譜を見ただけでは和音を脳内再生できないと告白している。若い頃はジャズピオアノをやっていたが演奏前の段階で苦労したそうだ。
そこで彼が同じ苦労をした人物として武満徹を挙げた。武満徹もピアノを使わずに和音を楽譜だけで脳内再生できずに苦労していたらしい。つまり、絶対音感は持っていなかったようだ。