奇想、天を動かす
MMT関連もあり、消費税により人生が破綻した何か具体例や発想が無いかと探していたら、本書を見つけた。
シリーズらしいが単独で楽しめた。
ただし、消費税は装飾で、作品の題材は戦中,戦後の日本の腐敗であり、韓国人とサハリンの問題。
ミステリのつまらなさは犯人が誰か問題だが、最初から謎を手段と動機と断片の集積に徹底しているので、退屈せずに読めた。
また、現実にはありえない幻想的な状況も、京極夏彦ほどに誇張せず、客観的な現象と主観的な印象の齟齬を区別しながら混合してしまう展開は素晴らしい。