美女ありき That Hamilton Woman(1941年)
漠然とネタを探してたら洋画で観月ありさという題名を見て驚く。それは誤読で美女ありきだった。
その勘違いに笑ってしまった、という理由だけで見た。
しかし、素晴らしい映画だった。
- どんな映画にも立場があるが、やたらフランス(ナポレオン)が悪だと思ったらイギリス映画だった。
- 作中で1799年から1800年にかわる場面があるが、脚本が1800年を新世紀と勘違いしてるのに笑ってしまった。
- 冒頭でエマはワインを盗むが、本編の彼女を見る限り、冒頭と最後の老婆に結びつかない。
- なぜなら、作中でエマは自立した女として描かれてる。
序盤に貴族に好かれて便乗しても依存しない態度、中盤も状況が状況なら働くのもためらわない。 - その彼女が最後には破綻してるのが納得いかなかった。
しかし、事実のようだ。 - 40平米程度の大きな窓が本作の鍵となっている。
CGではなく、セットと光学合成と絵画とは言え、実物でこれらを実現したのを見るだけで、いい気分。 - 舞台演劇的な大げさな言動が目立って馬鹿らしく見える点も多くある。
しかし、過剰な台詞に反して、沈黙もまた等しい。
特に最後の場面。 - ネルソン訃報を脇役が報告してる3分間。
彼女は1言も発しない。
ただVivien Leigh沈黙の表情を見せるのみ。 - そして、序盤で物語と客引きの両方の意味がある火山を見られる大きい窓のカーテンをあけるのと対比で、自宅の窓をしめる彼女。
文字通り、幕引き。 - 愛の調べを見た時にも思ったが、この頃の映画はまだ舞台をひきづっている。それは、良い意味で。
- 当時は録画できても、まだ舞台と乖離した凄い演出(編集)が出来なかったが故に、構成と最後の構図の勝負が圧倒的。
- それにしても、史実を知らないと、彼女の最後には納得がいかない。
その後は何もないって丸投げかよ。
しかし、事実なのだからしょうがない。 - Vivien Leighが最高。