フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたことをプレイしていたら、ゲーム内容の1つがハロウィン(1978年)だと言われた。
しかし、自分はその映画を知らなかった。
見た後に、幾つかのネタは既知であったと気づいたが、それでも作品自体の記憶は全く無かった。
そこで、ある分野における有名な作品でもあるし、見ようと思ったが、アマプラに無い。
BD自体も中古プレミアム価格。
フィンチャーのゲーム [DVD]のように日本での販売権が切れてしまい、日本では扱われていないのかも知れない。
単純に見る術が無い。
すると、フィンチ家の元ネタ指摘をした知人からゲオにある可能性を教えられ、駄目もとで行ったら、あった。
- カメラが動く動く。当時はステディカムなど無かった筈と思っていたら、1978年度のアカデミー科学技術賞を受賞したとあったので、むしろ同時期だったのか。
- アバンの主観と叙述トリックは御見事。ここだけでも語り継がれるのはわかる。
- 当時は光学合成しかなく、Aが見えてる間にBが隠れて、などなど1カットで撮影する段取り大変だったろうなと。
- 予算が無いからこその工夫か、被写界深度の浅さと奥行きを利用して、常に隙間を無駄無く使う構図は素晴らしいが、それだけに常に意図がわかるので驚けなかったのは、当時じゃなく今に見た時代のせいだろうか。
- ノーランはこの映画を挙げた事がなかった筈だが、明らかにこの映画の子供である。医者と警官が話してるところに窓バーンなんて、完全にダークナイトのブライアンダグラスやんけ。平面じゃなく奥行を徹底するのも同じ思想。彼は古典好きだし、言及はしてなくてもという事か。
- 音楽もミニマルのループで、ハンスジマーもこの延長を規模を大きくしてやっているから、その点でも同じ路線か。
- 構成が今風。1)見せ場 2)物語説明 3)結果 所謂「序破急」で、今のハリウッド映画は完全にこれだが、80年代末までは割と見せ場の無い序盤の作品もあったような気がするが、これは完全に現代的で尺も90分と完璧。
- あくまで精神異常者のホラーかと思って見ていたので、所所に特撮的なハッタリびっくり効果音をぶっこまれて笑っていたら、なんとモンスター映画だった。
- セットを使う予算がないからこそのロケが素晴らしい。ロケってだけで無駄話の場面も動きがある退屈しない場面になってる。
- 終盤はギャグにしか見えなかった。包丁張り付けなんて包丁の長さ足りないだろとか、最後の死体連発なんて天丼コント。当時の人達は素直に怖がれたのだろうか?
- 実は地味に会話も少なく、居る人物と場所に意味を持たせてるので、結構ヨーロッパ映画的な雰囲気もあったのが面白かった。
- もう40年もたった作品なので、どうしてもメタ的に見てしまったが、1カット毎の明確な意図がある構図と段取りに、今でも通じてる構成や編集や、繰り返される例の音楽。なるほど、当時の興奮は無理であっても、映画という分野の要素としてここまで語られるのは納得。
- トゥルーライズの奥さんやんけ。