そういう意味では安易ではあるが、編成や音量じゃなく、伴奏も薄く音色でのみテーマを示す形。
Civil Warでブラックウィドウが言っていたが、安易な道が、最悪の道とは限らない。
曲自体は様式美であり、特に若いと、あるいは退屈かもしれないが、踏襲だからこそ、強く攻めずとも個性の棲み分けが明確。
ミュージカル要素もあるので、特に母親の歌が評価されるだろうが、演出でも曲としても、クラシックからバンドへの流れ、挑戦とも和解とも言えるConcerto de Paulが最高。
AとBは、それぞれに様式であり、単体で見ると新しさは無い。
しかし、AとBが連続していると、新しくないのに既知じゃない。
つまり、作品の主題である親子であったり男女であったり、乖離が和合せずに混合して破綻しない、という結果だけ見る(聞く)と平然であるのだが実現は難しい事が、しれっと聞かされる。