2016年1月23日土曜日

【傷物語】鉄血篇を見てきた感想

色々と酷いが、間違いなく1番酷いのは音楽。目立つ音だけの集合で耳障りだし、映画館とTVの音響を同一と見なしてるミックスで、音楽1曲もいらなかったまである。曲の善し悪しではなく、映画館では低音は小さくても響くし、シンセパッドのようなぼやけた音でも充分に埋まる。あのゴリ押しHans Zimmerですら、きちんと立ち上がりの遅く目立たない音による空間を映画音楽の必須としてやっているのに、本作は、とにかく全部の音が耳に入ってきて、無意識の感知や、耳じゃなく肌で感じる振動など皆無で、映画館の音としてうるさく軽薄。

暦の悲壮感はよく出てた。喚いたりせずに、人を見るだけの場面とか。過剰に片目にせず、両目の描写も自然。しかし、羽川が酷すぎる。なに(の〜の)チルダみたいな口の線。忍との対比もあろうが、全く主要人物として大事にする気が無く、ただ豚を喜ばせるだけの売女で気持ち悪い。

原作準拠、かつTVで散々やってきたから間違ってはいないのだが、映画館で見る羽川パンツの気持ち悪さったらなかった。心底見に来たのを後悔した。

おい坂本真綾。やれば出来るじゃねえか。思わせぶりで幼いキャラは出来ても、しっかりと重い思春期以外をうならせる演技が出来ないに定評がある坂本真綾が、ちゃんと大人で厳しいかたわ忍をやりとげていた。取り乱しかたは全く乱れていないけれど、もしもロリ展開がなく全編が大人でそれをこなしていたら、ついに四畳半神話大系の明石さんを超えるアニメキャラ演技だった。

赤子の泣き声うぜえ。ただでさえ演出過剰な作品なのに、1から10まで過剰で、客を赤子よりも劣悪と見てるようなゴリ押し本当に不愉快。客の知能を全く認めていない。

忍野メメの決め台詞に効果音かぶせんじゃねえよ。あそこは効果音リバースカットアウトで「なにかいいことでもあったのかい?」だろが! 今回、音に関しては効果音から音楽まで何から何まで雑。これを映画というのは詐欺だと言ってもいいくらい。

映画の視覚効果を求めた結果でしょうがないのかもしれないが、忍野メメの強さってそういうことじゃないでしょ? 怪異や敵がドラゴンボールやってるのに、現実の合気道的な半歩動くだけで見切ってかわしたり、小さな実理でさばいてくから忍野メメは強いし格好いいんじゃん。

映画館は席の高さも見取り図に書くの義務づけるべき。後ろにいたって低ければ見づらいし、高低差あるなら前は見づれえんだよ。自分が見たとこは、きちんと高低差があったから後ろの席が見やすかったので、気持ち中間の席をとって損をした。

映画館における映画の予告って俺はわりと好意的だけど、今日の傷物語みたいに、思春期自己陶酔恋愛作品ばっかだと吐気がするんで規制してほしい。

エンドクレジットで梅津泰臣の名前があって笑った。監督で頑張れよw

傷物語は、物質的な獲得と精神的な喪失の対比な作品だけど、アニメって子供のもの馬鹿にされてた頃の方が作品の精神性は大人で、いい歳した消費者によってなりたってる今の方が作品の精神や描写は未熟じゃないかね。いい歳して見てるのが間違いなのか。

原作がそうだからしょうがねえけど、ロリ忍はいらなかった。大人忍と暦のガチ作品が見たかった。西尾維新がそんなのやるわけ出来るわけねえけど。アニメのかたわ忍が良かったからこそ思うのだけど、傷物語って萌え排したほうが面白いんじゃね?

少なくとも全否定作品ではない。でも映画じゃない。あれを映画館でやるのは詐欺だと思う。全く大画面のカット割りじゃないし、音じゃない。ただ画面が大きくて音がでかいだけで迫力と思える人はそれでいいのかもしれんが。TVにしては手間がかかりすぎ。映画にしては実に貧相。傷物語を見て、ある意味でBvSが超楽しみになってきた。作品としては面白くないだろうけど、あれはまさしく大予算大画面大音響の映画であるのは間違いないし。