龍の棲む日本
日本人の歴史意識「世間」という視角からで紹介されて面白そうだったので。
中世の日本地図の話。
当時は南が上なので、初めて見た時は酔った。
中世の地図は行基式と呼ばれるが、行基は数世紀前の僧で、直接的な保管や繋がりは不明。
古い地図と言えば伊能忠敬。彼の精度は礼賛されて当然だが、精度や知識に欠けて客観的に異なる地図だからこそ当時の思想がわかり得られる事もある。
本書では龍と断定する根拠はあるが、現物が無いので、頭も尾も無い太い謎の枠、というのが少なくとも視覚的に得られる情報の限界。
鯰は龍の子供。本書では言及されていないが、塗仏は鯰の尻尾がある。塗仏の宴は出目を理由に三星堆遺跡と結びつけたが、燭陰などを含めて、龍を示す箇所が何を意味するのか我々にはわからない。
ところで、今年三星堆遺跡を題材にしたアニメ映画という謎の企画があると知ったが、COVID-19の影響で上映未定となった。予告を見る限りクソつまらなさそうだが、題材だけで出落ち勝利とも言えるし、視聴者が少ないだけに興味がある。