2014年7月17日木曜日

【たまこまーけっと】山口優がCDを買わせるために比較した「DL音源よりCDが良 い理由」が傲慢で間違っているので反論する


これにえらく腹が立ったので反論を2点。

256倍くらい楽しいには暗に文化的な優越を語っているように思える。
もちろん、DL音源だけ聞いてる人を馬鹿にしているわけではないし、ブックレットによる作品関係者の人種や性別や年齢や事実か確認できない苦労話を知り、より作品を楽しむ契機になるのも事実だ。
特に、レコーディングエンジニアやミキサーエンジニアやマスタリングエンジニアの扱いは今でも軽く、それを知る機会にブックレットは有り難いというか、ブックレットに限らず歌手と同じように明記すべき情報だと思うが。

DLじゃなくCDを買ってブックレットを読めば面白いってのは、ある美人を見て身長と体重とスリーサイズの数字だけを読んで美人の顔を見るたびにニヤニヤするのが楽しいってのと同じで、そういう人もいるだろう。
しかし、DLでも聞いて良かった音楽を自分で歌って弾いて「良いと思った音楽の構造」と「どうして良かったと思ったのか動機」を知る、プロフィールと美人を見比べてニヤニヤするよりも美人と「会話」するほうが、嘘か本当かわからない文字情報に作品の評価を委ねるよりも知識と経験という意味で、ブックレットを読むよりも512倍くらい楽しいと思うし、有意義。
自分でうまく歌えないと思い知って初めて「歌手の凄さ」をわかって、より歌手を評価して音楽を聞けるし、好きな曲と好きじゃない曲の差異と類似にも気づけるし、思い込み以外に応用できる能力になるからだ。
自分は音楽(曲)の内包する情報の吟味よりも嘘か本当かわからない文字情報に評価を優先する消費者を見下しているし差別しているが、消費者が音楽的な知識や経験など無く、ただ好きな曲を買って聞くだけなのは自由だし正しい。
しかし、それは買う側、消費者の問題であって、作る側、提供者が音楽を売るのに「音楽以外の情報」を持ち上げて「音楽以外の情報があるほうが文化的に良い(感動できる)」というのは傲慢で間違っている。
難聴の作曲者の作品だから素晴らしいとか、歌手が麻薬をやってた時の作品だから駄目だとか、そういう消費者もいるし、その評価を実に愚かだとは思うけど。

1点は既に書いた通り、コード進行や使われた楽器や演奏技術など、曲自体が内包する情報の把握だけでも大変だし、故にその経験は有意義で、曲の素晴らしさに気づき自分にとっての価値を増幅させるのにブックレットは無くても可能だということ。
逆に、ブックレットの記述は曲に無関係でも成り立つ独立した情報として有益とも言えるが。
それと、今回に限らないが、インタビュウや解説はともかく、参加した演奏者やミキサエンジニアなど関係者はブックレット以外にもCDの公式情報として明記しろよ。こういう情報はCD買わなくても見られたほうが宣伝になるだろうが。
使用機材とかも書くべきと個人的には思うけど…。

2点目は、ブックレットはCDじゃなくDLでも可能だから。
Batman: Arkham Origins (Original Video Game Score)(ゲームのサントラ)は日本ではDL配信でしか買えないがブックレットのPDFがついてくる。
つまり、その利点はCDに限らない。
可能なのにあえてブックレットなど装飾情報を排除したDLを対象に、CDを買ってブックレット読みながら曲を聞くほうが良いなんて間違っている。
ブックレットに価値は無い、のではなくブックレットの価値を認めCD以外にも可能なのにCDだけを選んだくせにCDの利点として語るのが間違い、という意味。
それはCD以外でも、CDに劣るDLでも、CDに勝るハイレゾ(これもDLの1種だが)でも可能なのに利率でやってないだけなんだから。
商売なんだから利率は重要だ。
だから、スガシカオみたいに利率の問題と正直に言えば良い。
それを、格好つけてレコードまで持ち出して、怠慢を美談にしてるような態度は軽薄で傲慢だろう。

前に、CD世代がDL音源ばかり聴いてる若い世代にむけて「今の子はこういう感動ないんだろうな」とCDを開封して聴くのをやたら美化した不愉快な漫画投稿あったけど、じゃあDATやカセットやレコードにそれは無いのか?
ラジカセ : 手足をのばしてパタパタする ラジカセ : 手足をのばしてパタパタする ラジカセ : 手足をのばしてパタパタする ラジカセ : 手足をのばしてパタパタする
※画像はラジカセ : 手足をのばしてパタパタする。これは5コマと6コマ目があり、落ちはあくまでCDの優位性じゃなくラジカセへの「個人的な思い入れ」としている。漫画の落ちを知らずに誤解していた。

仮にCDがそれほど情緒的に優れた媒体なら生演奏はどうなる?
CDは物理媒体として便利で、自分もDLより断然CD派のCD世代だが、音楽的情緒や視覚情報は生演奏に劣り、音質ではハイレゾに劣り、手軽さでDLに劣り、比較すればCDなんて何も良いことない。
利点が無いと断ずるのは簡単な媒体CDを売りたい買わせたいなら、意図した劣悪を比較対象にせず、個人的な感動をあたかも個人感情以外の媒体の優劣に置き換える馬鹿なことをせずに、売る側がCDの利点を把握し、それを宣伝すれば良い。
それが利率だけと言うなら、正直に利率だと言えば良い。

【追記】

自分は記事を書いただけで全く発言内容を彼に伝えていないが、エゴサーチしたのかファンから聞いたのかわからないが、本人から直接「反論」記事を教えてくれた。
思わず面白いプロレスになったので追記。
記事内容の前提にあまりにも間違いが多いんです。
かねてからCD嫌いなことを度々表明している。
DL推進派である。
スガシカオさんの「CD買って」発言を批判している。
アナログオンリーの中古レコード屋を経営している。
↑当人の感情的優位性はCDよりDL。
これは「前提」じゃなく当人の「感情や立場」であって消費者が得られる商品の品質と内容とは無関係。
DL優先という当人の感情を示しても作品において「DLとCDに意図した格差をつけてCDを持ち上げ、持ち上げている要素が音楽商品なのに音楽以外の情報」に対して記事を書いているのであって、作品外の感情や立場は無関係。
例えば、先日離婚したばかりだろうが利き腕がどっちだろうが恵まれない子供達に何億円を寄付してその活動は立派でも、DLにもPDFで同じ内容を提供できるのに消費者が音質と物理媒体に固執しなければCDとの差異は無いのに提供者が格差をつけた理由にはならない。どちらを買うかは消費者の問題であって、DLにブックレットPDFが無いのは提供者の問題。
ブックレット自体を商品の宣伝に利用するのは自由だし当然で、自分は作品を問わずブックレットの存在や内容を否定しているのではない。
意図した商品格差の1つとして音楽において音楽じゃない情報(ブックレット)を持ち上げた点を指摘してる。
「星とピエロ」という作品についてはいかがでしょう?
あれは通常の音楽作品ではなく、いわば企画盤です。
どういう企画であったか、どういう経緯で作られたものか
把握なさってますでしょうか?
↑自分はこの作品を知らないけど「たまこまーけっと」(に限らず)DLにブックレットが無くCDに有る理由にはならない。
自分が書いた記事において、ブックレット自体の付加価値は否定してないから「ブックレットに価値はある」と言われても「最初からそう言っている」としか。
ブックレット自体は有益という点は互いに共通している。
しかし、ブックレットが無くても成り立つ作品においてブックレットありきの作品をあげられても無意味だし、今回の「たまこまーけっと」がブックレットありきの作品ならDL版に無いのはおかしいだろう。
論点がずれているし、ずれた先にも問題がある。
CDとDLの印税の違いなど、僕らにとってはどうでもいい話ですし、前述した通り、僕はDL推進派です。
↑利率を気にしていないのは当人の問題で、記事の論点は「現場を知らない消費者が予想できる理由を利率」にしてるだけで、利率以外にあるならそれを説明するか利率(コスト)が問題じゃないなら実行すれば良い。PDFの配信なんて今時素人でも出来る。少なくとも技術的には。
記事で書いた論点は「DLブックレットの有無は利率なのか否か」であって「山口優が利率を気にしてるかどうか」ではない。
それに利率は印税に限らない。PDF有りの配信には別契約の内容を吟味する必要があり、また、印刷むけの余白を無くすPDF編集作業など、PDF無しに対して別の問題があるかもしれない。その納期や時間に対する事も含む。
そして利率ではないなら何故やらない?という問題が出てくる。
教えてもらった記事は、全体的に自身の感情と立場を書いて「実行可能な先例があるのに、その前提とやらない理由を無知な消費者に伏せて商品に不当な格差をつけた」事が無視されている。
と言っても140文字の気軽な宣伝であって、自分もそこまで問題だとは思っていないが、論点を明確にして記すなら、そうなる。
ただこのアルバムに関して言えば、残念ながらライナー付きで配信してくれてるサイトはないのです。CDまたはライナーなしのDL、という選択肢しかありません。
↑この1文で終わってるじゃねえか!!w
その理由が書いてないけど。
この記事で例にあげたBatman: Arkham Origins (Original Video Game Score)はiTunes配信なのでiTunes Storeの欠点はライナーがないことというのはそもそも間違っている。
ブックレット(体裁)とライナーノーツ(内容)をどういう意図でわけて書いたかわからないが、iTunes LPというライナーノーツ有りの販売もあるので、いずれ「iTunesに無い」は間違っている。
PDFが提供できなかったのは日本版には無理なのか、今作に限った話なのか、予算か契約かその他か書いてないので自分(現場の事情に無関係)にはわからない。
説明する義務は無いし、質問もしないし応答も求めない。
「なんでねえんだよ!」に対して「理由はあかさないが無いものは無い」で終わってた。